マムFPオフィス -MUM FP Office-

横浜市を中心に活動しているファイナンシャルプランナーです

セルフメディケーション税制の時限措置延長 令和9年12月まで

FPハム子です。

 

先日近所のドラッグストア*1に行ったところ、セルフメディケーション税制のチラシが設置されていたので頂いてきました。

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チラシの本題は確定申告に必要な明細の作成サービスですが、『いくら買ったら所得税・住民税の合計いくら減税』と具体的な記載があるので、制度を知らない・利用したことがない人でも興味を引かれる内容だと思います。

お店のチラシという形で公的な制度が広まるのは、難しそうというハードルが下がる良い取り組みですね。

 

医療費控除自体は認知度が高くても、セルフメディケーション税制は特例という立ち位置なのもあり世間にあまり浸透していないと感じるので、国としてはこういった制度を利用されることで税収が減るのを防ぎたいのが本音なのかなあ、と邪推してしまいます。

 

この特例、もともとは令和3年12月までの時限措置だったので、来年は対象商品の買い占めや品薄、果ては転売ヤーに目を付けられるといった事態が起きるのでは…とタックスプランニングの試験勉強中に考えていました。

 

が、今年9月に厚労省が発表した税制改正要望に期限延長の要望記載があり、先日公表された令和3年度税制改正大綱には実際に延長が盛り込まれました。

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【令和3年度 税制改正大綱のPDFファイル】

https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/200955_1.pdf

*16ページにセルフメディケーション税制の記載があります。

 

延長を始めとした詳しい改正事項は以下の通りです。

  • 本来は令和3年12月までの時限措置が、令和4年から5年間の延長に改正されるので、令和9年12月までが新たな期限になります。
  • 対象商品も見直しされ、対象外になる商品もある中で『治療または療養に使用される非スイッチOTC医薬品』が新たに対象となるので、結果的には恐らく対象範囲が拡大されるようです。ちなみに、『スイッチ』とは医療用の成分がOTC医薬品に転換(スイッチ)されたという意味。OTCとは『Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター』の略で、医師の処方箋なしで店頭で購入できるいわゆる市販薬・大衆薬を指します。
  • 手続きの簡素化のため、健康の保持増進・疾病予防の取り組みを行ったことを示す『取組関係書類』の確定申告時の提出が不要になります。場合によっては税務署からの提出要請があるようですが、過去の確定申告の履歴や社会保険加入状況などを見てふるいにかけると思われます。そういった管理のためのマイナンバーでもあるのでしょうから。

 

税制改正”要望”には控除額の見直しも記載がありました。実際の改正に盛り込まれるかは現時点では不明ですが、概要は次の通りです。

  • 控除額から差し引かれる自己負担額が現行の12,000円から引き下げられます。また、控除額上限の88,000円も10万円に引き上げられます。ただし、少額還付を防ぐために控除額の最低ラインとして12,000円以上の購入費が条件になるようです。つまり、購入費10万円で考えた場合、現行だと自己負担額が12,000円(控除額に含まれない)=88,000円が控除額 ⇒ 改正後は最低ラインが12,000円(控除額に含まれる)=10万円が控除額 と考えてよいでしょう。自己負担額12,000円は若い単身世帯にはやや高い金額設定なので、少額還付防止の名目のほうがよりセルフメディケーション自体が推進されると思います。

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【令和3年度 税制改正要望のPDFファイル】

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000677542.pdf

*10ページにセルフメディケーション税制の記載があります。

 

今年はコロナの影響で思わぬ商品の買い占めもあり、セルフメディケーションの駆け込み需要が心配でしたが、そういった社会的事情もあって税制改正の最後の一押しになったのでしょうか。

所得は横ばいで物価と税率ばかりが上がるなかで然るべき還付を受けるための控除ですから、この仕組みが少しでも多く広まればFPとして本望です。

*1:株式会社カメガヤのFit Care DEPOT