マムFPオフィス -MUM FP Office-

横浜市を中心に活動しているファイナンシャルプランナーです

テレワークで経費にできるもの、給与課税されるもの

FPハム子です。

 

国税庁は、在宅勤務の通信費等について税制上のルールを明確化し、1月15日にFAQ形式で公開しました。

国税庁『在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(全6ページ)』

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf

 

今回の記事では、このルールについて解説します。


基本的なことではありますが、この税目は従業員の給与所得に対する所得税のことで、毎月の給与から企業が天引きするため、個々人が確定申告する必要はありません。
しかし、今後の給与明細に非課税枠として載る項目になると見込まれるので、在宅勤務をされる給与所得者は内容を把握しておくと、経費扱い・非課税枠の判断ができ節税に繋がると思います。

 

 

①在宅勤務手当の課税・非課税の線引き

 

【課税されるケース:給与所得になるもの】

  • 毎月定額が渡切りで支給され、会社への精算が不要の場合
  • 在宅勤務費用として支給した金銭について、実際に費用(経費)として使用しなかったにも関わらず、その金銭を会社に返還する必要がない場合

 

【非課税のケース:業務使用部分として給与にならないもの】

  • 従業員が事務用品等を立替払いで購入し、その実費相当額を領収証によって会社に精算する場合
  • 会社が従業員に金銭を仮払いしたのち、在宅勤務費用として使用した実費相当額を従業員が領収証によって精算し、超過分の金銭は企業へ返還する場合

 

②在宅勤務で支給される事務用品等の課税・非課税の線引き

 

【課税されるケース:支給扱いになるもの】

  • 会社が従業員に事務用品等を支給することにより、所有権が従業員に移転する場合

 

【非課税のケース:貸与扱いになるもの】

  • 会社が従業員に事務用品等を支給するが、その事務用品等を従業員は自由に処分できず、業務に使用しなくなったときは返却する場合

 

③電話代やインターネット接続の通信料、電気代について

これらの費用は、在宅勤務において業務のために使用した部分を明確に算定することはなかなか難しいです。

会社支給のポケットwi-fiがあればデータ通信料はともかくとして、端末の充電には各家庭の電源供給が欠かせませんから、算定基準が必要になります。
そのため、業務使用部分を合理的に計算する方法として、下に示すとおり算式が定められました。
ルールは上記①②と同じく、在宅勤務に必要な費用として支給された金銭について、在宅勤務で負担した部分は精算し、超過分は返還するというものです。
この『在宅勤務で負担した部分=業務使用部分』の計算方法が下記の算式で算出され、その金額が給与所得にならず業務使用部分として非課税とされます。

 

【電話料金、インターネット接続のデータ通信料の算式】

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【電気料金の算式】

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※共に国税庁資料

 

レンタルオフィス

従業員がレンタルオフィスでテレワークを行うことを会社が認めていて、上記のルールとおり負担部分を精算・超過部分を返還する場合は、レンタルオフィス代は給与とならず課税されません。

レンタルオフィスはコロナ禍によって普及の途上にあるので、まだまだ自宅外でのテレワークを認めない企業も多いでしょう。
また、レンタルオフィスの形式も、個室タイプやブース型、コワーキング型、駅ナカのSTATION WORKのように15分単位で使用する小型のもの、果てはホテルの一室など様々です。
コロナ禍においては、他者とのソーシャルディスタンスがとれなかったり濃厚接触のおそれがあるオフィス形式では本末転倒ですから、企業のリスク対策としてもどのタイプのオフィスを経費として認めるかという定義が必要です。
また、個人情報を扱う職種にはブース型やコワーキング型は情報漏洩の危険が高いため、これにも企業のリスク対策が求められます。

 

まとめ:通勤手当の有効活用

コロナ禍によって在宅勤務が増えたことで、在宅勤務の手当・費用が発生するかわりに通勤手当が減少した企業も多いです。
しかし、通勤手当は電車通勤の場合だと一ヶ月につき15万円の非課税枠がありますが、在宅勤務手当についてはまだ具体的な取扱いや税制がありません。
在宅勤務に係る費用の業務使用部分の算定方法は大変煩雑ですから、単純に浮いた通勤手当を在宅勤務手当に振り分けることはそう簡単にはいかないでしょう。
コロナをきっかけに在宅勤務が普及したことで、従業員にとっては通勤や無駄な付き合いがなくなり時間のゆとりが生まれ、会社にとっては通勤手当を生産性の向上に投資できるようになりました。

しかし、この現状を新しい社会のあり方として定着させるには、ある程度の世代交代や認識の塗り替えも必要でしょうから、まだまだ時間はかかりそうです。